横山税理士事務所
Column - 一口馬主の会計と税務 -

一口馬主の会計処理と税務(法人の場合2)

2.一口馬主の収入についての会計処理

今回は一口馬主クラブから入金があった場合の会計処理を見ていきましょう。

出資している馬がレースに出走して賞金が入った場合などには、
クラブから分配金の入金があります。

まず、分配金の仕組について説明します。

例えば、ある馬のその月の分配金が100,000円あったとします。
その時点でのその馬の出資金の返戻可能額が60,000円だったとすると、
100,000円のうち出資金の返戻額が60,000円、残り40,000円は利益分配額になります。

この40,000円に対して20.42%の源泉所得税が差し引かれます。
(源泉所得税額は40,000円×20.42%=8,168円)

普通預金への入金額は、100,000円-8,168円=91,832円です。
この場合の仕訳は以下のようになります。

(借方)普通預金 91,832円  (貸方)出資金/補助科目馬名 60,000円
    法人税等 8,168円       雑収入       40,000円


3.馬が引退した場合の会計処理

出資している馬が引退した場合、クラブから引退精算金が入ってきます。

それが出資金の返戻金である場合は、仕訳は以下のようになります。
(借方)普通預金  (貸方)出資金/補助科目馬名

そして、その後残っている出資金を全額「雑損失」に振り替えます。
(借方)雑損失 (貸方)出資金/補助科目馬名

これで引退した馬の出資金はゼロになります。