横山税理士事務所
Column - 一口馬主の会計と税務 -

一口馬主を法人化するメリット

一口馬主を個人の名義で登録されている方が多いと思いますが、

名義を個人から法人に変更することができます。

一口馬主の名義を個人から法人にするメリットは3つあると考えられます。

1、赤字を損益通算できる

年間収支が赤字の場合、個人だと雑所得なので、損益通算できません。

損失は切り捨てになります。

法人の場合は、他の所得と通算できます。

2、税率の違い

年間収支が黒字の場合は税金がかかりますが、法人と個人では税率が違います。

法人の場合は、実効税率約23%
(本業でかなり利益が出ている場合はそれより高くなる場合があります)

個人の場合は、所得税が累進課税なので本業の所得金額により税率が違いますが、
所得税、住民税合わせて15%~55%

給与所得者で給与所得以外の所得が20万円未満の場合は確定申告不要という制度がありますので、
給与所得者は個人のほうが有利になることがあります。

でも、一般的には法人のほうが税金が少なく済むと思います。

3、個人の出資金を法人の出資金に振り替えられる

以前も書きましたが、出資金というのは最初に出資したときの出資金だけではなく、
その後に支払う保険料や毎月の維持費も出資金になります。

法人化の前月までに個人で支払った出資金の合計額から賞金などで配当を受けた出資金を
控除した金額が個人の出資金です。

これを法人の出資金に振り替えます。

仕訳で示すと以下の通りになります。

(借方)出資金   (貸方)役員借入金

法人に振り替えた出資金は個人から法人への貸付金ですので、
法人に余裕資金があるときに法人から返済してもらうことができます。

法人化のデメリットは、会計処理がめちゃくちゃ煩雑だということです。

でも、会計処理さえ苦にならなければ法人成りのメリットは大きいと思いますし、
一口馬主の仕訳だけ税理士などの専門家に依頼するのも一つの方法だと思います。

また、法人の場合、赤字でも法人地方税が年間70,000円(東京都の場合)かかりますので、
一口馬主のためだけに法人を設立するのはムダですが、個人的に自由にできる法人を持ってる方は
一口馬主の名義を個人から法人に変更したほうがメリットがあると思います。